THE GUILYギルティ見ました!
第34回サンダンス映画祭で観客賞を受賞したり、ハリウッドリメイクも決まって話題を呼んだデンマーク製の異色サスペンスです。
緊急通報司令室のオペレーターの男に掛かってきた1本の電話をもとに発覚した誘拐事件を、その男が電話のみで必死に解決に導こうとするお話。
映画を通して、緊急司令室のみの映像で進むいわゆるワンシチュエーションの斬新な映画でした。時間も88分と短め。
低予算ながら斬新かつ緻密なアイデアで、アメリカの映画レビューサイト「ロッテントマト」では、驚異の観客満足度100%を叩き出したということもあっておもしろかったので感想書いてみます!
あらすじ
緊急通報指令室のオペレーターであるアスガー・ホルム(ヤコブ・セーダーグレン)は、ある事件をきっかけに警察官としての一線を退き、交通事故による緊急搬送を遠隔手配するなど、些細な事件に応対する日々が続いていた。
そんなある日、一本の通報を受ける。それは今まさに誘拐されているという女性自身からの通報だった。
彼に与えられた事件解決の手段は”電話”だけ。
車の発車音、女性の怯える声、犯人の息遣い・・・。
微かに聞こえる音だけを手がかりに、“見えない”事件を解決することはできるのか―。
出典:https://guilty-movie.jp/
感想(ネタバレ)
想像するしかないから、リアルに想像してしまう。
言ってしまえば、緊急通報(110番)のオペレーターが通報者と電話しているだけの映画ですし、映像的には出ている主人公が映っているだけですが、受話器の向こうで起こっている事をすごく想像してしまいます。
なぜかというと無言の間の使い方が上手く、電話の向こうの緊迫感を醸し出しているからです。さらに、音が小さくて聞こえづらかったり、雑音が入ってたり、何の音かわからなくて思考を巡らせたりしますので、頭をものすごく回転させられます。
したがって、映画の中の映像では映っていないもの、電話越しに話している相手の顔や電話の向こうで起こっている事件や事故の様子を頭の中で映像化してしまっているので、まるで映像として映ったかのように想像の中の映像が鮮明に記憶に残ります。
これは映像化をしないことによって逆に観客に想像させて印象付ける効果となっています!
小説の叙述トリックのような騙され感
叙述トリックとは主に推理小説などで、先入観などを利用し、読者を誤った解釈に導くことです。
例として、人物の性別や年齢、時系列や場所などに関して、文章中で重要な情報を巧みに隠匿することにより、読者を欺くことが行われている。
このギルティという作品では後半のある人物の一言で、いままでの主人公や観客の思い込みに亀裂を入れます。
そして、「いや、もしかして…」という想像と真実の点が全て繋がるとき、最大のどんでん返しが起こります。
この騙された感覚はとても病みつきになり、癖になってしまいます!
最後の電話相手は誰なのか
ネットの感想を見てみると、最後の最後のシーンで自分の罪も告白した主人公が自分の携帯電話でかけた相手は誰なのかってことが議論されてます。
この作品自体解釈の多様性がおもしろさの根幹であることから、ある意味誰にかけていても、正解なのかもしれないです。
この考察こそ、楽しみの一つであり、映画の心地よい余韻にも繋がっていると思います!
コメント